「おすわり」「まて」「おいで」——犬のしつけの基本コマンドですが、正しい教え方を知らないと、犬も飼い主もストレスを抱えることになります。
この記事では、初めて犬を飼う方でも実践できるトレーニング方法を、科学的なアプローチに基づいて解説します。
しつけを始める前に知るべきこと
最適な開始時期
| 時期 | できること |
|---|---|
| 生後2ヶ月 | 名前の認識、トイレトレーニング |
| 生後3ヶ月 | おすわり、社会化の開始 |
| 生後4〜6ヶ月 | 基本5コマンド、散歩のマナー |
| 生後6ヶ月〜 | 応用トレーニング |
3つの大原則
-
褒めて伸ばす(ポジティブ・リインフォースメント)
- 良い行動 → すぐ褒める&ご褒美
- 悪い行動 → 叱るのではなく「無視」する
-
短く頻繁に
- 1回5〜10分を1日3〜5回
- 犬の集中力は長く持たない
-
一貫性を守る
- 家族全員が同じコマンド・ルールを使う
- 「今日だけ特別」は犬を混乱させる
基本の5コマンド
1. おすわり(Sit)
難易度: ★☆☆☆☆(最も簡単)
教え方
- おやつを犬の鼻先に持っていく
- そのまま頭の上にゆっくり移動させる
- 犬が自然にお尻を下ろしたら「おすわり」と声をかける
- お尻が床についた瞬間にご褒美を与える
- 1日5回繰り返す。3〜5日で定着
TIP
お尻を手で押さえつけるのはNG。犬が自発的に座る体験を作ることが大切です。
2. まて(Stay)
難易度: ★★★☆☆
教え方
- 「おすわり」をさせる
- 手のひらを犬に向けて「まて」と言う
- 1秒でもじっとしていたらご褒美
- 徐々に時間を1秒 → 3秒 → 5秒 → 10秒と延長
- 距離も少しずつ離す(まずは1歩から)
よくある失敗
- 最初から長時間待たせようとする → 犬が諦める
- 「まて」の後にすぐ解除しない → 犬がいつまで待てばいいかわからない
解除コマンド「よし」を必ずセットで教えることが重要です。
3. おいで(Come)
難易度: ★★★★☆(意外と難しい)
教え方
- 短い距離から始める(1〜2m)
- 犬の名前 +「おいで!」と明るい声で呼ぶ
- 来たら大げさに褒める+最高のおやつ
- 距離を徐々に伸ばす
- 室内 → 庭 → 公園と場所を拡大
IMPORTANT
「おいで」で呼んで嫌なこと(爪切り、お風呂など)をしない。「おいで = 良いことが起きる」と学習させてください。
4. 伏せ(Down)
難易度: ★★★☆☆
教え方
- おすわりの状態から始める
- おやつを犬の鼻先から真下(地面)に向かってゆっくり下げる
- 犬が前足を伸ばして伏せたら「ふせ」+ご褒美
- 完全に伏せない場合は、少しでも体が低くなったら褒める
5. ハウス(Crate)
難易度: ★★☆☆☆
教え方
- クレートの入り口近くにおやつを置く
- 犬が自分から入ったら「ハウス」+ご褒美
- 中にいる時間を少しずつ延長
- ドアを閉める練習(最初は数秒)
- 最終目標: ハウスの中で安心して寝られるようになること
絶対やってはいけないNG行動
| NG行動 | 理由 | 正しい対処 |
|---|---|---|
| 叩く | 信頼関係が壊れる | 褒めて教える |
| 名前を叱る時に使う | 名前=嫌なことと学習 | 叱り言葉は「いけない」など |
| 後から叱る | 犬は3秒前のことしか紐づかない | その場で即座に対応 |
| 家族でルールがバラバラ | 犬が混乱する | 事前にルールを統一 |
| 長時間のトレーニング | 集中力切れでストレス | 5〜10分で切り上げる |
トイレトレーニング
成功率を上げる3つのコツ
-
タイミングを知る
- 食後、起床後、遊んだ後が排泄タイム
- このタイミングでトイレに連れて行く
-
成功したら大げさに褒める
- トイレで出来た → 「すごーい!」+おやつ
- 失敗 → 何も言わずに黙って片付ける
-
失敗しても絶対に叱らない
- 叱ると「見えないところで排泄」するようになる
- 成功体験を積ませることに集中
TIP
トイレの成功率が80%を超えるまでは、常に目を離さないか、クレートに入れておくのが鉄則です。
犬種別しつけの難易度
| しつけやすさ | 犬種 |
|---|---|
| ★★★★★ | トイプードル、ゴールデンレトリーバー、ボーダーコリー |
| ★★★★☆ | ミニチュアシュナウザー、シェルティー |
| ★★★☆☆ | コーギー、ダックスフンド、パグ |
| ★★☆☆☆ | チワワ、ポメラニアン |
| ★☆☆☆☆ | 柴犬、ジャックラッセルテリア |
まとめ
この記事のポイント
- 褒めて伸ばすのが最も効果的な方法
- 短く頻繁に(1回5〜10分 × 1日3回)
- 基本5コマンドはおすわり → まて → おいで → 伏せ → ハウスの順で
- 一貫性が成功の最大の鍵
- 叩く・怒鳴るは絶対NG
正しいしつけは、愛犬との素晴らしい関係の基盤になります。
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