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動物福祉学

動物福祉学

犬の「幸福」を科学的に定義しようとする研究が、過去30年で大きく進んでいます。

動物福祉学(Animal Welfare Science)は、動物の身体的・精神的状態を客観的に評価し、その生活の質を改善するための学問領域です。感情や主観的経験を持つ存在としての動物を尊重し、「ただ生きている」ではなく「よく生きている」状態を目指す視点が中心にあります。

5領域モデル

わんこのおみせが事業構造の基盤として採用しているのが、ニュージーランドの動物福祉研究者David J. Mellorが提唱した「5領域モデル(Five Domains Model)」です。

Mellor, D.J. (2020). Updating Animal Welfare Thinking: Moving beyond the "Five Freedoms" towards "A Life Worth Living". *Animals, 10*(10).

このモデルは、従来の「5つの自由(Five Freedoms)」を発展させ、動物の状態を以下の5つの領域から評価します。

  • Nutrition(栄養) — 食事・水分・体組成の充足
  • Physical Environment(物理的環境) — 生活空間の安全・快適さ
  • Health(健康) — 疾病・傷害・感染からの保護
  • Behaviour(行動) — 種特有の行動と選択の自由
  • Mental State(精神状態) — 上記4領域の結果として生まれる主観的経験

5番目の「精神状態」が中心にあることがこのモデルの特徴で、身体的条件が整っているだけでなく、その犬が内側でどう感じているかを問います。

私たちが参照する6つの研究

わんこのおみせのコンテンツや商品選定では、以下の学術研究も判断材料として参照しています。

  1. Mellor 2020(前掲) — 5領域モデルの現代的位置づけ
  2. Hsu & Serpell 2003(C-BARQ) — 犬の行動と気質の評価尺度。*Journal of Veterinary Behavior* 掲載
  3. Jones & Gosling 2005(DPQ) — 犬のパーソナリティ評価の体系化。*Applied Animal Behaviour Science* 掲載
  4. Ley et al. 2009(MCPQ-R) — 猫のパーソナリティ評価(犬研究との比較文脈)。*Applied Animal Behaviour Science* 掲載
  5. Nagasawa et al. 2015 — 飼い主と犬のアイコンタクト中のオキシトシン上昇。*Science* 掲載
  6. Duranton & Horowitz 2019 — ノーズワークが犬の楽観性に与える影響。*Applied Animal Behaviour Science* 掲載

なぜ動物福祉学を基盤にするか

わんこのおみせが商品を選ぶとき、コンテンツを書くとき、私たちは「これは本当にその犬の状態を良くするか」という問いに戻ります。流行や見た目ではなく、科学的な根拠に照らして判断する姿勢は、飼い主への誠実さであると同時に、犬自身へのリスペクトです。

動物福祉学は難しい学問ではありません。「この子は今、何を感じているか」という問いを習慣にすること——それがすべての出発点だと、私たちは考えています。


動物福祉学について詳しく知りたい方は、ブログ「わんこのはなし」で関連記事を連載しています。

「わんこのはなし」で記事を読む | 5領域モデルとは(詳細ページ)

※本サイトに掲載された情報は、学術的研究を参考にしていますが、個別の症状や治療については獣医師にご相談ください。